アレルギー最前線 アトピー性皮膚炎の外用療法

アトピー性皮膚炎の治療は、生物学的製剤の適応が最新の治療変化といえますが、適応が限られているため、中等度以下の患者に対しては、FTU(finger tip unit)およびプロアクティブ療法が行われます。
・FTU
FTUは特殊な治療法ではなく。本来の外用療法の基本を再確認して症状改善につなげる考え方です。小児科では患者に処方する時に、体重を目安に処方量を調整しています。これと同じように外用薬に関しても、皮疹の面積によって処方量を変える、すなわち湿疹の面積が広ければ処方量は増え、狭ければその逆となります。具体的には手のひら2枚分の面積に湿布すべき外用薬の量は、その人の人差し指の第一関節から爪先までの量(およそ0.5g)とされます。この量が1FTUと定義されます。

・プロアクティブ療法
FTUを意識して外用療法を進めていっても、皮疹が再燃することがあります。そのためステロイド外用薬を忌避してしまいますが、これらはプロアクティブ療法を実施することによって回避できます。皮疹が改善したらステロイド外用薬を中止し、保湿剤に切り替え、悪化したらステロイド外用薬を再開する方法(リアクティブ療法)では、皮疹が改善したように見えても実際は不十分であり、治療を中断することで症状の再燃を繰り返すことになります。一方で皮疹が改善してもステロイド外用薬は中止せず、段階的に保湿役に切り替えていく方法がプロアクティブ療法です。これを行うことで目には見えない皮膚の炎症をしっかりと抑え込み、皮疹の再燃を最小限とし、総合的にはステロイド外用薬の塗布量や回数を低減化することができます。

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このページは、が2019年5月19日 23:37に書いたブログ記事です。

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