気管支喘息,スパイロメトリー,ピークフロー
気管支喘息は呼吸機能を担う肺のアレルギー性炎症であり、気道過敏症や発作時の気道末梢の狭窄を特徴とします。そのため呼吸機能検査が診断に利用されます。
1)スパイロメトリー・フローボリューム
健常な成人では、努力呼出時の1秒率(forced expiretory volume in one second:FEV1)/努力肺活量(forced vital capacity:FVC)比が成人で80%未満、小児では90%未満のときには気流制限があると考えます。短時間作動性β2刺激薬の吸入後15〜20分後にFEV1が絶対量として200mLあるいは12%以上改善すれば喘息とします。
2)ピークフロー
肺機能測定の中でピークフローはFEV1とよく相関することが知られています。ピークフローメーターは安価で患者自身が家庭で毎日モニタリングすることが可能です。1〜2週間記録することで、日内変動や日々の変動が20%以上あれば喘息の診断が可能です。あるいは、気管支拡張薬の吸入などの試験的投薬により、ピークフローが15%以上改善すれば喘息と診断できます。
3)気道過敏性試験
気管平滑筋を収縮させる作用をもつ薬剤(アセチルコリン、メサコリン、ヒスタミンなど)を、その濃度を段階的に上昇させて被験者に投与し気道反応を解析します。喘息では呼吸機能が正常でも著明な気道過敏性が証明されます。