実際に患者にアレルゲンを暴露して症状がでるかみる検査です。最も診断価値は高いのですが危険性もあります。眼粘膜誘発試験、鼻粘膜誘発試験、吸入誘発試験などがあります。時には生命に危険の及ぶ症状を誘発することもあり、患者に不利益が伴うので、不利益を上回る利益があると判断された場合に限り、準備を万全に整えて行います。
1)眼粘膜誘発試験
眼球結膜に抗原液を点眼し、結膜発赤と掻痒感が出現すれば陽性と診断します。
2)鼻粘膜誘発試験
抗原液を鼻粘膜に噴霧、もしくは直径3mmの一定濃度の抗原を含ませた濾紙を両下鼻甲介前端の粘膜下に置き、5〜10分後のくしゃみや鼻汁、鼻閉などの症状と鼻鏡所見(鼻粘膜腫脹)からアレルゲンを同定します。
3)吸入誘発試験
抗原10倍希釈系列を作り、低濃度から順次吸入させ、呼吸機能検査で1秒率の低下がコントロール値よりも20%低下した時点で陽性と判断します。
4)食物除去・負荷試験
問診などにより原因抗原と推定された食物を2週間除去することで症状が改善すれば、負荷試験に進みます。負荷試験は二重盲検査がgood standardになります。すなわち検査者、被験者(患者)ともにアレルゲンが含まれているかどうかわからない状況で検査するのが理想です。卵や小麦など、疑われるアレルゲンンを含む食事を少量ずつ量を増やしながら15分ごとに与え、一定量を1〜2時間ほどかけて食べさせ、症状が誘発されるかどうか、さらに数時間観察します。