アレルギー関連検査 血中好酸球・IgE

1)血中好酸球
好酸球はアレルギー疾患のほかにも、寄生虫疾患・アジソン病などで上昇するため、アレルギー疾患に特異的な検査ではありませんが、比較的簡単に得られる情報なので診療の参考になります。治療経過中モニターすることもありますが、臨床症状を鋭敏に反映するわけではありません。またステロイド全身投与では著明に減少します。

2)IgE(総IgE・特異的IgE)測定
IgEはI型(即時型)アレルギーに関与する免疫グロブリンで、分子量約19万の蛋白です。免疫グロブリンの中ではもっとも血中濃度が低く、消化管・気道粘膜・リンパ節等で産生され、血中での代謝半減期は約3日です。
アレルギー性鼻炎などと関わりが深く、1966年、アレルギー患者の血清中から発見されました。現在、臨床で測定されているIgEには、各アレルゲンに対し抗体活性を有する「特異的IgE抗体」と、抗体活性の明確ではないIgE全体の量としての「総IgE」があります。健常成人の総IgE基準範囲は、測定方法で若干の違いはありますが、170IU/mL以下であり、3歳で成人の60%程度、学童後期に成人レベルに達します。

各アレルゲンに対するIgE量を測定するのが特異的IgEで、アレルゲン量に応じて0〜6のクラスに分けられます。測定可能なアレルゲンは200項目以上あります。また陽性率の高いアレルゲンを組み合わせたセットもあり、問診でアレルゲンが特定できない時などに利用されます。ただし、ある特異的IgEが陽性だからといって臨床症状を反映するとは限りません。これはI型アレルギーの一連の機序が、すべてIgEだけで回っているわけではないことに起因しています。すなわちIgEが高濃度であっても、好塩基球や肥満細胞の数、局所分布、細胞機能などの反応性、ヒスタミンなど化学物質の量、組織の感受性、血流、さらには過剰反応に対する抑制機構の関与など、臨床症状として現れるにはさまざまな因子を考慮することが必要となります。

基準値小児(6〜12ヶ月) 1367 未満 (pg/mL)
   小児(1〜2歳) 998 未満
   小児(2歳以上) 743 未満
   成人 450 未満

※IgEの濃度は国際単位で表示されており、1ユニットはWHOの標準血清で2.4ngに相当する。

このブログ記事について

このページは、が2014年7月19日 00:07に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「I型アレルギーのバイオマーカー ペリオスチン」です。

次のブログ記事は「I型アレルギー性炎症マーカー ケモカイン」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。