アレルギー関連検査 ヒスタミン遊離試験HRT

I型アレルギーにおいて、好塩基球は肥満細胞とともに中心的役割を示し、また末梢血中に局在するため採取可能なエフェクター細胞です。ヒスタミン遊離試験(histamine releasing test:HRT)は、末梢血から磁性ビーズに結合させた好塩基球特異的抗体を用いて全血中の好塩基球を分離し、取り出した好塩基球をアレルゲンと反応させ、遊離したヒスタミン量を競合的ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)法により測定する検査です。すなわち、好塩基球からのヒスタミン遊離というI型アレルギーの最終的な段階まで再現する検査です。

生体内ではIgE依存性の反応により遊離したヒスタミンが即時型アレルギー症状(発赤、じん麻疹、気管支収縮など)を引き起こしますが、HRTはこれら一連の反応をin virto で再現できる検査と位置付けられます。HRTは、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などで、原因抗原の診断における有用性が示されています。

HRT構成アレルゲン
HRT 乳幼児期用食物:卵白・オボムコイド・オバルブミ・牛乳・小麦
HRT 学童・成人期用食物:ソバ・ピーナッツ・エビ・カニ・ゴマ
HRT アトピー性皮膚炎:ヒト汗・ヤケヒョウヒダニ・ネコ上皮・イヌ皮屑・カンジダ
HRT 除去食:卵白・牛乳・小麦・ピーナッツ・エビ
判定:単位(クラス)0陰性 1疑陽性 2〜4陽性

※エフェクター細胞:刺激に対する反応において、特異的な働きをする免疫系の細胞のこと。

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このページは、が2014年7月20日 23:27に書いたブログ記事です。

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