農村で暮らした子供は学齢期のアレルギー性鼻炎が7割減

就学前に農村暮らしをしていた子どもは、学齢期のアレルギー鼻炎罹患率が約3分の1と大幅に低いという研究結果がスウェーデンから報告されました。清潔すぎない生活環境で暮らした子どもはアレルギー疾患にかかりにくいという「衛生仮説」を裏付ける成果の1つとして注目されています。

対象はスウェーデン南西部の西スウェーデン(Vastsverige)地域における2003年の出生コホート(全出生児)から無作為抽出した8176世帯の小児で、両親に対し、出生6カ月、12カ月、4歳半、8歳の各時点で質問票への回答を求め、その結果を解析したものです。

学齢期のアレルギー性鼻炎に関連する有意な因子として、出生早期のアレルギー傾向や家族因子に加え、新生児期の抗菌薬使用が促進因子として、また就学直前の農村生活が保護的因子として特定されました。これらは、衛生仮説を補強する結果だといえます。

衛生仮説は、衛生的すぎる環境がアレルギー性疾患のリスクを増加させるという説で、農に暮らす子供は、乳幼児期にウシやウマの糞などに含まれる細菌やそれに含まれるエンドトキシン(LPS)と接触するため、都会環境に暮らす子供と比較して、将来アレルギー疾患に罹る率が低くなると考えられています。また、衛生仮説はToll様受容体(Toll-like receptor:TLR)の発見でもあり、近年のアレルギー疾患の増加を裏付けるもっとも有力な学説となっています。

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このページは、が2014年6月10日 00:17に書いたブログ記事です。

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