2014年6月アーカイブ

舌下免疫療法は、アレルゲンエキス(液体エキスを用いた滴下型・口内崩壊錠のような形状をしたタブレット型がある)を舌下のに投与し、数分間そのままの状態にします。
舌下免疫療法には重篤な副作用は少ないとされていますが、特有の副作用として、口腔内腫脹・口内炎症状・咽頭刺激感・口腔掻痒などのアレルゲンエキス投与部位と関連した症状がみられます。
これらの症状は、投与を続けるうちに軽減・消失することが多く、治療の完遂性に影響を及ぼす可能性は低いとされています。その他にも口腔内症状・鼻炎症状・喘息症状・蕁麻疹などの副作用がみられることがあり、アナフィラキシーが生じる可能性もゼロではありません。その為治療の実施に際しては、専門的な知識・技能・および副作用に対して適切な判断と対応が要求されます。

アレルギー診療の最近の動向として、わが国において初めてとなる、スギ花粉症を対象とした舌下免疫療法治療薬が承認される見通しとなり、注目を集めています。
これまで用いられてきた皮下投与によるアレルゲン特異的免疫療法では、アドレナリン治療が適応となる程度のアナフィラキシーの頻度が約0.13%あることが報告されており、より安全な治療法の確立が必要と考えられました。一方、マウスのアレルギーモデルを用いた研究から、粘膜免疫の重要性が明らかになり、粘膜免疫を利用した免疫療法に関する知見が集積し、舌下免疫療法は口腔粘膜を利用した手法であり、その安全性と利便性が高いため、臨床応用されてきた経緯もあります。

就学前に農村暮らしをしていた子どもは、学齢期のアレルギー鼻炎罹患率が約3分の1と大幅に低いという研究結果がスウェーデンから報告されました。清潔すぎない生活環境で暮らした子どもはアレルギー疾患にかかりにくいという「衛生仮説」を裏付ける成果の1つとして注目されています。

対象はスウェーデン南西部の西スウェーデン(Vastsverige)地域における2003年の出生コホート(全出生児)から無作為抽出した8176世帯の小児で、両親に対し、出生6カ月、12カ月、4歳半、8歳の各時点で質問票への回答を求め、その結果を解析したものです。

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