喘息は、慢性のアレルギー性気道炎症と気道過敏性の亢進を特徴とする疾患ですが、病態のメカニズムの一つとして、アレルギー性炎症細胞である好酸球やリンパ球などから発生する過剰の活性酸素が気道障害性に作用し、気道の慢性炎症や過敏症を形成していることが知られています。喘息においても、敗血症や心筋梗塞と同様に。生体内で酸化ストレスが上昇しバイオピリンが産生され、尿中レベルが上昇していることが想像されます。
健常人と喘息以外の疾患を併発してない非発作時の喘息患者に対し、尿中のバイオピリンを測定し、健常人と喘息患者の比較、喘息患者において重症度別の比較、呼吸機能との関連について検討された結果、喘息患者の尿中バイオピリンは健常人よりも有意に高い値が得られました。さらに、その値は喘息の重症度が上がるほど有意に高くなり、喘息重症度の目安の一つである呼吸機能(1秒率:FEV1/FVC)と有意な相関性があることも認められました。