2013年4月アーカイブ

喘息と尿中バイオピリン

喘息は、慢性のアレルギー性気道炎症と気道過敏性の亢進を特徴とする疾患ですが、病態のメカニズムの一つとして、アレルギー性炎症細胞である好酸球やリンパ球などから発生する過剰の活性酸素が気道障害性に作用し、気道の慢性炎症や過敏症を形成していることが知られています。喘息においても、敗血症や心筋梗塞と同様に。生体内で酸化ストレスが上昇しバイオピリンが産生され、尿中レベルが上昇していることが想像されます。

肥満者の割合は近年増加傾向にあり、アレルギー疾患のうちでも、特に 喘息 が肥満とのかかわりにおいて注目されています。「喘息予防・管理ガイドライン2009」にも、肥満が成人喘息の発病・憎悪の両方に関与する事が記載されています。
体重・体格指数(BMI)が高いほど喘息発病のリスクが高まることが、登録看護師(女性)を対象としたアメリカの免疫研究により1999年に明らかになりました。
血清総IgE値やアレルゲン感作が肥満により増強するとの報告は少なく、アレルギー性喘息と肥満の関連は強くないと考えられているのに対し、肥満は非アレルギー性喘息発症とよく相関し、とくに女性においてより顕著です。
すでに喘息を発病している患者では喘息憎悪に結びつきます。その背景には、呼吸生理学的な変化と、分子メカニズムの両者が関与すると考えられています。肥満の喘息患者が減量すると肺機能と喘息症状が改善し、とくに肺機能のうちピークフロー値の変動幅が減少します。

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