気管支喘息と好酸球性中耳炎

好酸球性中耳炎は、気管支喘息患者における難治性中耳炎として報告され、その特徴は膠状の中耳貯留液に多数の好酸球が認められることです。診断の為には好酸球検査が必須となります。臨床的な特徴として次のものがあります。
・成人発症が多く、やや女性に多い
・局所は滲出性中耳炎または慢性中耳炎と同様の所見をとる
・鼓室内の肉芽は蒼白で耳茸を形成することもある
・気管支喘息、アスピリン喘息をきわめて高率に合併する
・好酸球が著明に浸潤した鼻茸を高率に合併する
・両側性の発症が多い
・伝音〜混合性難聴を呈し、未治療では進行が早い
・ときに急激な骨導閾値の上昇をきたすことがある
・手術により憎悪し聾となる症例もある

好酸球性中耳炎診断基準(2011年)
・大項目
好酸球優位な中耳貯留液が存在する滲出性中耳炎/慢性中耳炎
・小項目
1)膠状の中耳貯留液
2)中耳炎に対する従来の治療に抵抗
3)気管支喘息の合併
4)鼻茸の合併
確実例:大項目の他に2つ以上の小項目を満たすもの
除外診断:チャーグ・ストラウス症候群、好酸球増多症候群

鼻茸(はなたけ):副鼻腔にできるポリープ状の病状で、鼻の内部における粘膜が膨れて茸(キノコ)のような状態になったものを指す。鼻ポリープとも呼ばれる。

このブログ記事について

このページは、が2012年12月25日 22:49に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「気管支喘息と好酸球性副鼻腔炎」です。

次のブログ記事は「肥満が喘息の発病・憎悪に関与」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。