2012年3月アーカイブ

花粉-食物アレルギー症候群(pollen-food allergy syndrome:PFASまたはPFS)は、口腔アレルギー症候群(OAS)のなかで感作アレルゲンが花粉の場合をいいます。
症状としては口腔症状が主で、感作花粉の飛散時期に発症または症状が強くなります。さらに原因食物を繰り返し摂取し続けると症状が重篤になることや、アナフィラキシーがみられることもあります。

近年食物アレルギーはクラス1およびクラス2の2つに大別されるようになってきています。クラス1は食物が消化管で消化吸収されて感作が成立し、アレルギー症状が誘発されるものをいいます。これに対してクラス2は、感作の成立と症状の誘発に別々のアレルゲン(主にタンパク)が関与し、両者の交差性により症状が誘発されるものです。交差性を有するアレルゲンとしては、植物生体防御タンパク質であるPR-10が有名ですが、シラカンバ花粉の主要アレルゲンであるBetv1およびブナ目花粉の主要アレルゲンはいずれもPR-10で、強い交差性が報告されています。

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