2009年5月アーカイブ

アスペルギルス

アスペルギルス(Aspergillus fumigatus)は、熱に強い真菌で世界的にも広く分布しています。増殖に適した温度域が幅広いので、生息環境は恒常的な高温域のみに限定されません。アスペルギルスは土壌中に広く分布しており、他の真菌アレルゲンと比べて、空気中の胞子の濃度は低とされています。冬でも堆肥にした植物の残渣や湿気を多く含んだ干し草や、ワラの山の内部で自己発熱が起こり、その結果多数の胞子が増殖して空気中に移行するので、局所的に胞子数が増えます。
アスペルギルス

卵白 食物性アレルゲン

アトピー性疾患を発症する小児において、始めに抗体を獲得する抗原が卵であることが多いといわれています。
卵に対するアレルギーは、乳児および幼児における食物アレルギーにおいて最も一般的であると考えられています。卵アレルギーの患児を観察した際、湿疹および呼吸器症状を持つ小児の65%以上に感作が認められています。

卵白の特異的なIgE抗体によって、アトピー性呼吸器アレルギーの発現を予測できることもあります。卵白に対する過敏症の有無はアトピー体質の指標として総血清IgE値より優れていると結論付けられた研究の追跡調査において、卵白アレルギーを持つ乳児は、7歳までに吸入性アレルギーを発現する可能性が高いことが示されており、他の研究でも同様の結果が示されています。

牛乳は、乳児における有害反応の主な原因のひとつで、アレルギー疾患の有病率は0.6〜7.5%です。中には牛乳アレルギーを一生持ち続ける人もいます。牛乳によって誘発される喘息は、乳児においては多くの場合、食物過敏症および鼻結膜炎との併発が見られ、漿液性中耳炎を伴う可能性もあります。摂取をやめることにより、乳児の牛乳アレルギーは、年長児や成人よりはるかに良好な予後を示しています。

牛乳に対するIgE抗体は、臨床的なアレルギーの発症に先立ち発現することもあり、特異的IgEの測定は有効な予測手段になります。これまでに、牛乳の特異的IgE抗体値と牛乳に対する耐性の発現には、相関関係が報告されています。

このアーカイブについて

このページには、2009年5月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2009年4月です。

次のアーカイブは2012年3月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。