小麦に含まれる主要タンパク質(アルブミン、グロブリンおよびグルテン)は、小麦の種類によって含有比率が異なります。小麦製品よって反応が異なるのは、こうした差異が一因です。
小麦は、小児のIgE介在(依存)性アレルギー反応の主な原因として最も重要な6種類の食品のひとつです。
摂取された小麦タンパクに対するIgE介在(依存)性アレルギー反応には、胃腸・呼吸器・皮膚の症状が含まれます。 反応は概して、小麦の摂取から1時間以内に起こります。患者は通常、乳児期に感作され、臨床反応は一般的に成人する前に消散します。
小麦に対する暴露は、生死に関わる様々なアナフィラキシー反応を招くこともあります。小麦依存性の運動誘発性アナフィラキシー(WDEIA)は、小麦または小麦粉の摂取後数時間内に激しい運動が組み合わされることにより引き起こされる、重篤なIgE介在(依存)性アレルギー反応の一種です。
小麦粉の吸入による感作は、製パン・菓子業界によく見られるパン屋喘息を引き起こす可能性があります。小麦または小麦の粉塵に対する職業暴露はまた、畜産・製パン・食品産業従事者や製粉工場労働者に影響を与えるその他のアレルギー疾患を引き起こすこともあります。
その他の反応
小麦アレルギーとセリアック病は別個の疾患です。セリアック病は、グルテンに対する不耐性に起因する恒久的な非IgE介在(依存)性反応の一種です。