食物性アレルゲン ピーナッツ

ピーナッツは、木の実ではなく、一年生のマメ科植物の一種です。ピーナッツは、キャンディーや焼き菓子にも含まれます。またピーナッツは一般に用いられる油の原料でもあります。落花生粉は、様々な加工食品に含まれる重要な成分のひとつです。
ピーナッツの予期せぬ暴露源には他に、アジア料理やアフリカ料理など、ピーナッツを食材として用い、レストランで供される食物などがあります。
ピーナッツアレルギー患者の25〜50%に木の実に対するアレルギー反応が見られ、クルミ・カシューナッツ・ペカンナッツ・ピスタチオなど植物学的に異なる科に属する木の実を通じ、発現することもあります。アレルギー反応は初めての暴露で起こることも多く、生死に関わることもあります。これは、純粋な交差反応によるものなのか、アトピー体質の個人の間に異なるアレルゲンが共在しているせいなのかは不明です。

ピーナッツは、植物学的に近縁のマメ科植物と共通の相同タンパク質を有しますが、ピーナッツアレルギー患者の大半は他のマメ科食物に対してはアレルギー反応を示しません。ピーナッツ・アレルギーを持つ人は、大豆に対する交差反応または共反応のリスクが高いと予想されますが、盲検式の食物負荷試験では、こうした反応は低い率でしか示されませんでした。

ピーナッツは、成人と小児の双方において重篤な食物アレルギーをもたらす重大な原因のひとつです。ピーナッツアレルギーは通常、幼少期に始まりますが、他の食物アレルギーとは違い、一生を通し存続することがあります。耐性を構築するのは、小児の約20%に過ぎません。

ピーナッツに対するアレルギー反応は、軽度から中程度のこともありますが、他の食物アレルゲンに対する反応に比べ、重篤になる可能性が高く、生死にかかわることもあります。じんましん・アトピー性皮膚炎・血管浮腫・喘息・下痢・吐き気および嘔吐・アナフィラキシーなどが報告されています。喘息を持つ乳児における重篤なピーナッツ・アレルギーは、アナフィラキシーの危険を抱えているため、特異的IgE抗体検査で確認することが重要です。

このブログ記事について

このページは、が2009年4月15日 00:27に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「食物性アレルゲン マメ科 ダイズ」です。

次のブログ記事は「食物性アレルゲン 小麦」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。