2008年11月アーカイブ

花粉症などアレルギーの確実な根治療法はまだ確立されておらず、この減感作療法がもっとも根治療法に近いといわれています。一般的には抗原特異的減感作療法を指します。

特異的減感作療法は、アレルギーの元となる花粉のアレルギー物質を、濃度の薄いものからだんだんと濃度を上げつつ体内に注射していくことで、体をアレルゲンに慣れさせてアレルギーの症状をなくす療法です。そのメカニズムは完全に明らかにはなっていませんが、Th細胞のバランスを整えたり、免疫寛容を誘導するのではないかと考えられています。IgEではなくIgGを多く産生させ、アレルゲンがIgEと結びつく前にIgGと結びつくことによりアレルギー反応を弱めるという説もあります。このためIgGは遮断抗体とも呼ばれましたが、鼻粘膜におけるIgGの量は変化がないことから、この遮断抗体の関与には疑問が呈されています。

特異的減感作療法は、100年近い実績があり、効果と安全性は確かめられています。約6割〜8割の患者に効果があるといわれますが、そのうち完治と呼んでいいほどに症状が改善するのは、さらに半分程度といわれています。1年〜5年の長期に渡って何度も注射する必要があり、治療の即効性はありません。一般的には、花粉症のシーズンが終了してから(次のシーズンに向けて)治療を始めます。早い人では注射を始めた次のシーズンから効果を実感できます。きわめてまれにですがショック症状などが出る危険性も指摘されています。しかし、多くは濃度や量の間違いなど、治療のミスによるものだろうともいわれています。注射後の監督不行き届きや、患者自身が異常を医師に伝えないことなども、副作用を早期発見できない原因となります。

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