生活環境には多種類の真菌類が存在し、様々なアレルギー症状を起こすことが知られています。アレルギー症状の原因となる真菌は大きく分けて、室内外の環境中に存在する空中真菌と、ヒトの皮膚に常在する寄生菌があります。
空中真菌の発生しやすい環境は、(1)高湿、(2)20-30℃の温度、(3)有機物の多い汚れ、(4)長期間利用のない場所、(5)空気の滞留する場所、(6)ホコリの多い場所、(7)結露した場所等があげられます。
近年、住居の気密性が高くなったために湿度が高くなり、カビが発生しやすい環境となっています。空中真菌の発生時期は、室内外ともに4月から11月で、5-7月の梅雨時期と9-10月の秋期をピークとし、冬期は少ないとされています。
空中真菌の胞子は5μm前後で、多くが下気道まで到達するため気管支喘息、過敏性肺炎などの原因となりますが、胞子が大きいアルテルナリアなどは鼻にも沈着することからアレルギー性鼻炎の原因にもなります。
特異的IgE抗体が測定可能な空中真菌
・クラドスポリウム(クロカビ)
・アルテルナリア(ススカビ)
・アスペルギルス(コウジカビ)
・ペニシリウム(アオカビ)
・ムコール
・ヘルミントスポリウム