花粉症の原因となるイネ科植物の多くは牧草として輸入され、帰化したものです。牧草地以外にも道端、荒地や河川敷など身近な場所に多く生えており、花粉症の原因としてスギに次いで多いとされています。また、春季に花粉症の症状がありスギ特異的IgE抗体陽性236例の52%がイネ科花粉に感作され、また、スギ特異的IgE抗体が陰性例のうち14%はイネ科花粉単独に感作されていました。
多くの異なる種のイネ科植物が、晩春から秋にかけて長期にわたり花粉を飛散します。イネ科花粉間には強い共通抗原性があり、そのため、花粉飛散時期の異なるイネ科花粉によっても症状が起こり、晩春から秋まで症状が持続する可能性があります。イネ科の多くは早朝から午前中に花粉を飛散させます。晴天の場合には午前10時頃までに飛散のピークが認められ、曇りの時は1-2時間遅れます。