花粉量が10分の1でも症状は2分の1?

花粉情報(日本気象協会) 
今年はスギ花粉の飛散は少なそうですね。花粉の量、つまり花芽の成長を左右するのは、前年の7月の気温と日照時間です。去年の7月は、気温は平年並みでしたが、日照時間は短かった2005年よりもさらに短く、去年は花粉飛散量が少なかったのでスギの木には余力があるといえますが、それを計算にいれても2005年春のような大量飛散はあり得ないと思われます。
しかし、花粉量が10分の1になったとしても、症状は2分の1にしかなりません。早めの花粉対策が必要です。

レーザー治療や減感作療法は すぐに効果を発揮するわけではないので今からでは間に合いません。初期療法として ケミカルメディエーター遊離抑制薬や、第2世代抗ヒスタミン薬は予想花粉飛散開始日の2週間前から投与開始します。予想花粉飛散開始日とは、1平方cm当たり花粉が1個飛散した日が連続2日続いた時、その1日目をいいます。つまり、花粉飛散開始日前にも花粉は飛んでいるということですね。花粉が鼻粘膜を少しづつ刺激して鼻粘膜の過敏性を亢進させていき まさに症状発現の準備が整えられようとしています。初期療法はその準備をさせないようにすることです。

●アレルギー性鼻炎の治療に使用される主な薬剤
1)第1世代抗ヒスタミン薬  
ヒスタミンが神経に作用する部分(受容体)をブロックし、くしゃみ、鼻水などに効果があります。市販薬にも含まれており、安全性は高いが、眠け、口が渇くなどの副作用あり、尿のでにくい人や緑内障の人には使えません。

2)第2世代抗ヒスタミン薬  
新しいものほど、眠けなど第1世代の副作用が改善されており、鼻づまりに効くものもあります。たくさんの種類があり、作用が少しずつ違います。ほかのくすりとの飲み合わせが悪いものもあるので、ほかに飲んでいるくすりがある場合には、必ず医師に伝えることが必要です。

3)ケミカルメディエーター遊離抑制薬  
抗原抗体反応がおこっても、肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質(ケミカルメディエーター)が遊離するのを抑えるくすりです。飲みぐすりと鼻に噴霧する薬があり、十分な効果がでるまでに2週間かかります。

4)抗トロンボキサンA2薬/抗ロイコトリエン薬  
鼻づまりに有効な新しい薬。

5)ステロイド(副腎皮質ホルモン)薬  
鼻に噴霧する局所ステロイド薬は、局所にのみ作用し、体内にはほとんど吸収されないため、比較的安心して使えるくすりです。くしゃみ・鼻水・鼻づまりのいずれにも高い効果があります。ステロイド薬の副作用はほとんどないものの、決められたとおりに定期的に使用しないと、十分な効果が発揮できません。経口ステロイド薬は、重症の人に鼻の粘膜の過敏症を抑える目的などで使用します。ムーンフェイス、月経障害などステロイドの副作用があるため、最長でも2週間を限度に服用します。

「今年は花粉の飛散量が少ない」とニュースが流れると、「今年は花粉症で苦しまなくてすむかもしれない」と期待して、なかなか受診しないため、治療開始が遅れるようです。早めにドクターに相談しましょう。

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このページは、が2007年2月 7日 22:22に書いたブログ記事です。

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