果実・野菜類 (1)

果実は、食物アレルギーを引き起こした原因食物として、卵、牛乳、小麦に次いで4番目に多いと報告されています。また、ショックの原因としても順位が高く、重要なアレルゲンです。野菜はアレルギーの原因として頻度は高くはありませんがその中でヤマイモは重篤な症状を起こす頻度が大豆、イカと同程度であり注意を要します。
果実・野菜類は、花粉やラテックスと共通抗原が存在することが知られ、花粉症患者やラテックスアレルギー患者がこれらの果実・野菜類を摂食すると、口腔部分に限った即時型症状、いわゆる口腔アレルギー症候群(OAS)を引き起こすことで知られています。とくに果実に多く、最近では花粉-果物症候群、ラテックス-果実症候群と呼ばれています。
口腔症状以外に呼吸器、消化器症状、アナフィラキシーなどの重篤な症状を起こす例があります。

●リンゴ・モモ・洋ナシ・イチゴ(バラ科)
バラ科果実は、シラカバ花粉との共通抗原によりOASを引き起こす原因として多くの報告がなされています。シラカバだけでなく、ハンノキ、ヤシャブシなど他のカバノキ科花粉患者においてもバラ科果実によるOASが報告されています。また、バラ科果実はカバノキ科花粉以外にラテックスとも共通抗原がありますが、バナナ、アボカド、キウイなどに比べてその頻度は少ないとされています。リンゴとモモは、アレルギーの原因さらにショックを引き起こした食品として、いずれも高い頻度が報告されており、加工食品に原材料名の表示が推奨されています。

●メロン・スイカ・カボチャ(ウリ科)
ウリ科果実・野菜は、イネ科、ブタクサ花粉症に合併する食物アレルギーの原因として知られています。カボチャのアレルギーの頻度は高くはありません。

●ニンジン・セロリ・パセリ(セリ科)
アレルギーの頻度は高くはありませんが、ハンノキ・シラカバなどカバノキ科の樹木花粉症、ヨモギ花粉症に合併する食物アレルギーの原因として知られています。

●ジャガイモ・トマト(ナス科)
アレルギーの頻度は高くはありませんが、シラカバ、イネ科、スギ科花粉症患者、またラテックスアレルギー患者においてOASを起こすことで知られています。

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このページは、が2007年1月14日 00:31に書いたブログ記事です。

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