食物依存性運動誘発アナフィラキシー

食物依存性運動誘発アナフィラキシーとは・・ある特定の食物で、普段は食べてもなんともないのに、食べた後に運動をするとアナフィラキシーを起こすことがあります。これは食物依存性運動誘発アナフィラキシーとよばれ、運動によって原因食物の吸収が増加して起こるといわれていますが、その仕組みについてははっきりとはわかっていません。
“学校で給食を食べ、昼休みにスポーツに興じてじんましんが出た”というような場合は、食物依存性運動誘発アナフィラキシーを疑った方がいいかもしれません。医師の診察を受けることをお勧めします。

●症状は?
1)皮膚症状:全身の熱感、掻痒感に引き続き、紅斑、じん麻疹、血管性浮腫など
2)消化器症状:腹痛、下痢、嘔吐など
3)重症例では、喉頭浮腫による呼吸困難、曖声、喘鳴、気管支攣縮による喘鳴・呼吸困難、ショックによる血圧低下、意識消失など生命の危険を伴うこともあります。

通常皮膚症状が運動後30分以内にあらわれ、その後、呼吸困難、発汗、意識障害等があらわれます。食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、ある特定の食物を食べた後2〜3時間以内に運動を行ったときに、アナフィラキシー症状があらわれます。

●原因は?
コムギ、工ビ(とくに、植物油で調理している場合が多い)などを摂取後、2〜3時間以内に運動すると、上記の症状が出現してくるのです(長くても24時間内)。原因食物は他に、カ二、イカ、貝類、果物(ブドウ、モモ)も報告されています。運動の種類はランニング、テニス、サッカ―など比較的激しい全身運動をおこなった時が多いようです。

しかし、歩行、掃除など軽い運動によっても引き起こされることがあります。運動の種類、強度はさまざまです。好発年齢は、10歳代の思春期で男性に多いようです。

運動後にじん麻疹やアナフィラキシー症状を経験していても、摂取した食物との関連に気づかない例もあります。

●対策は?
本症の既往のある者に対しては再発の予防することがとくに大切です。
1)原因と考えられる食物を摂取しないこと
2)食事摂取直後、特に2〜4時間以内の運動を制限する
3)運動中に熱感、皮膚掻痒感、紅斑、じん麻疹などの初期症状を認めた時は直ちに運動を中止する
4)万―、初期症状が出た場合は、早めに校医なり近医なりを受診して治療を受ける。

このブログ記事について

このページは、が2006年12月12日 00:00に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「穀類関連 小麦・グルテン・ソバ・米 」です。

次のブログ記事は「口腔アレルギー症候群」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。