卵白・卵黄・オボムコイド

卵は、乳幼児の食物アレルギーでもっとも頻度が高いものです。卵白の中にはオボムコイド、オボアルブミン、リゾチーム、オボトランスフェリンなどのアレルゲンが含まれますが、オボムコイドのみ熱に耐性です。
オボムコイドの特異的アレルゲンクラスが4以上の場合は加熱卵白経口負荷試験で95%が陽性であり、クラス1以下の場合は97%が陰性でした。ゆで卵を放置しておくと、卵白中のオボムコイドが卵黄に移行するので卵白アレルギー患者に固ゆで卵を与える場合は加熱後速やかに卵黄を取り出すほうがよいとされています。また、卵アレルギー患者へのリゾチーム製剤投与により重篤なアレルギーを起こすことがあります。

リゾチーム製剤:塩化リゾチーム(ノイチーム錠、レフトーゼ錠など)炎症による腫れをやわらげたり、傷んだ組織をきれいにして治りをよくします。また、痰や膿を分解して、排出しやすくします。そのような作用から、カゼを含めて、気管支炎や喘息、鼻炎、歯槽膿漏など炎症を伴う病気に広く使われています。

ゾチーム:リゾチームはムコ多糖類分解酵素の一種であり、N-アセチルグルコサミンとN-アセチルムラミン酸間のβ-1,4結合を加水分解します。この酵素作用により痰や鼻汁中に含まれるムコ多糖類を分解し、同時に気道や鼻腔の線毛運動を亢進させて膿粘液の排出を促進します。膿粘液が排出されると、病巣部は清浄化されて細菌の増殖を防ぎ、炎症部位の修復を早めることができます。

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このページは、が2006年11月 8日 00:14に書いたブログ記事です。

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