2006年11月アーカイブ

香辛料が、アレルギー反応を起こすことやアレルギー患者の症状を憎悪することがあるのはよく知られています。最近、香辛料類もまたIgEを介する症状を起こすことが明らかにされました。
食卓用マスタードは、Brassica nigra(茶、黒、赤マスタード)、あるいはSinapis alba(白マスタード)の種、あるいはCruciferae(マスタード:アブラナ科)に属する両種を混合したものです。ブロッコリー、ワサビ、芽キャベツ、キャベツ、カリフラワー、ダイコン、水カラシナは同じ科に属します。

同じ科に属する種類には共通抗原性があることは否定できません。マスタードの種子にアレルギーのある人は他のマスタード科(アブラナ科)の植物ともアレルギーを起こす可能性があります。

厚生労働省は、平成13年4月からアレルギー物質を含む食品については、特定のアレルギー体質を持つ人の健康危害の発生を防止する観点から、食物アレルギーを引き起こすことが明らかになった食品のうち、特に発症数、重篤度から表示する必要性の高い5品目を法令で表示を義務付けるものとし、19品目については、表示を奨励するものとして通知しました。

●省令で表示を義務付けているもの
 卵・乳・小麦・・・症例数が多いもの。なお、牛乳およびチーズは「乳」を原料とする食品(乳および乳製品等)を一括した分類に含まれるものとする。
 そば・落花生・・・症状が重篤であり生命に関わるため、特に留意が必要なもの。

吸入性アレルゲン(主としてハウスダスト・ダニ・カビなど)の回避と環境改善について日常生活で注意し実行できることがいろいろあります。

●室内塵(ほこり)、ダニ、カビなど
応急処置・・・除去するには?
・掃除は、ほうきで掃くよりも掃除機で吸引する(じゅうたんは裏側も)吹き出し口は戸外へむける。
・はたきの使用は避け、かたくしぼった雑巾などで拭き掃除をする。
・ふとん、じゅうたん等は頻繁に日光にあてる(2〜3回裏返す)年に1度は丸洗いをする。
・エアコンのフィルターは定期的に清掃する。つけ始めの10分は換気をする。
・シーツ、枕カバー等は週1回以上、たくさんの水で洗う。

犬、猫、小鳥、げっ歯類(ハムスターなど)を室内で飼っている家庭が増えています。庭付き一戸建てでもない限り無理ですよね・・と言うより、家族の一員として一緒にと考えると室内で・・ということになるのでしょう。しかし、動物の上皮や皮屑(ひせつ:フケのこと)からは鼻炎や気管支喘息の原因となるアレルゲンが検出されています。ハムスター、モルモットなどは抗原性が比較的に強いことからアレルギー体質の方は要注意です。

動物アレルゲンは、飼うのをやめた後も、数ヶ月は室内で検出されます。また、猫を飼っていない学校や家庭でも室内に猫のアレルゲンが検出されるのは、猫を飼っている人がフリースやニットなどの衣服に抗原を付着させて持ち込むことが原因と考えられています。
皮屑(フケ)は各動物に特異的なアレルゲンであり、動物アレルギーの診断には上皮よりも皮屑(フケ)を測定するほうが良いとされています。

アレルギーのお子様におススメ。牛乳・チーズを使わなくてもしっかりとコクのあるグラタンが出来上がります。

★材料(2人分)
◇じゃが芋・・・・・・・・・200g
◇玉葱・・・・・・・・・・・1/2個
◇ピーマン・・・・・・・・・1個
◇米油(炒め様)・・・・・・ 適量
◇ホイップの素・・・・・・・大さじ4
◇水・・・・・・・・・・・・160cc
◇塩・胡椒・・・・・・・・・少々
◇ひえコロコロ・・・・・・・約20個(お好みで)
◇米油(ひえコロコロ用)・・大さじ1

グラタン

子どもの急性アレルギーの自己注射「エピペン」は、急性アレルギー(アナフィラキシー)の緩和に有効です。
エピペン(メルク株式会社)って知っていますか?子どもの食物や薬物、ハチ毒による急性アレルギー(アナフィラキシー反応)の緊急時の対応に有効なエピネフリンの自己注射キットです。対象となるのは、食物アレルギーを持っている体重15kg以上30kg未満の子どもです。

3大アレルゲンと呼ばれる卵、牛乳、小麦のほか、重篤な症状のでやすい、そば、落花生(ピーナツ)を誤って口にしたときに、5分から30分以内に現れる全身性の即時性アレルギーはアナフィラキシーと
呼ばれ、対応が遅れると危険な場合もあります。よくみられる症状は、食べた直後に口の中がしびれたり、かゆくなったりする口腔内違和感、吐きけや嘔吐、腹痛などの消化器症状、かゆみや発疹などの皮膚症状、のどが腫れることによる呼吸困難などがあります。

卵白・卵黄・オボムコイド

卵は、乳幼児の食物アレルギーでもっとも頻度が高いものです。卵白の中にはオボムコイド、オボアルブミン、リゾチーム、オボトランスフェリンなどのアレルゲンが含まれますが、オボムコイドのみ熱に耐性です。
オボムコイドの特異的アレルゲンクラスが4以上の場合は加熱卵白経口負荷試験で95%が陽性であり、クラス1以下の場合は97%が陰性でした。ゆで卵を放置しておくと、卵白中のオボムコイドが卵黄に移行するので卵白アレルギー患者に固ゆで卵を与える場合は加熱後速やかに卵黄を取り出すほうがよいとされています。また、卵アレルギー患者へのリゾチーム製剤投与により重篤なアレルギーを起こすことがあります。

昆虫(吸入性アレルゲン)

昆虫の糞、死骸の粉砕物、鱗粉、鱗毛などが吸入性のアレルゲンになります。屋外ではユスリカ、ガ、チョウなどが、室内ではゴキブリ、食品害虫のガ類(メイガ)やチャタテムシ、衣類につくガ類(イガ)などが気道アレルギーの原因となります。
屋外の昆虫抗原量は年間で2峰性(初夏・秋)を示し、特に秋の空中昆虫抗原量は大量です。室内塵中にもゴキブリ、ガ、ユスリカなどの抗原が検出され、これらは室内に生息している昆虫のみならず、灯火に誘引され室内に侵入した室内昆虫由来と考えられています。

気管支喘息、アレルギー性鼻炎におけるガ、ユスリカのIgE抗体陽性率は全国でダニ、スギ、イネ科花粉に次いで高く、これらの昆虫は普遍的な感作抗原となります。気管支喘息では、空中の昆虫抗原量が増加する時期に一致して昆虫に対するIgE抗体の上昇および症状の悪化が認められます。またガ、チョウ、ユスリカ、ゴキブリなどの感作例で吸入誘発試験陽性例が多数報告され、これら昆虫が気道アレルギーの原因となることが示されています。
昆虫間には、共通抗原および各々の種に特異的な抗原の存在が報告されています。

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