夜中から明け方にかけて、咳や喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音)、呼吸困難が続く場合は、まず気管支喘息を疑うのが普通です。症状が軽くても持続して起こるようなら、風邪と安易に判断せずに喘息を疑って、一度呼吸器科などの専門医を受診することをお勧めします。
気管支喘息の原因は様々ですが、日本では粉塵中の家ダニであることが多いといわれています。しかし、アレルゲンがはっきりせず、原因がよくわからない喘息の中には、カビ(真菌)が深く関わっているものがかなりあります。
カビには何千もの種類があり、喘息だけでなく鼻炎や気管支炎などの他のアレルギーの原因物質にもなりますが、特に喘息の原因として知られているのが、アスペルギルス、カンジダ、アルテルナリアなどです。
空中に浮遊しているこれらの胞子を吸入すると喘息発作が起きますし特にアスペルギルスとカンジダは「アレルギー性気管支肺真菌症」の原因となります。
これは、これら真菌の胞子が気管支粘膜上に住み着いて徐々に気管支を破壊して喘息を起こす病気です。なかなか治らない難治性の喘息と気管支拡張症を引き起こすのが特徴です。カンジダやアルテルナリアは元々の喘息症状を悪化させる要因にもなります。
また、学童を対象とした調査でも、多くの喘息患者や 20%〜30%のアトピー性喘息患者にこれらの真菌で強いアレルギー反応がでるという報告もあります。
原因を特定するには、血液で特異的IgEを検査します。予防は、カビをできるだけ除去することです。一般家庭では湿度が高い浴室、台所、押入れにはびこりやすくなります。エアコンのフィルターに繁殖したカビの胞子が室内に撒き散らされることもあります。
こうした場所の除菌対策が必要です。カビの胞子は春と秋にピークとなります。