人の皮膚は外界に接する表皮、その下の真皮、そして皮下組織(脂肪組織)からなります。表皮は厚さ1〜0.3mmで最上層の角質細胞は2週間前後ではがれ落ちから押し上げられてくる新しい細胞と入れ替わります。
湿疹は、外界の刺激から生体を防衛しようとする皮膚(表皮・真皮上層)の反応で、かゆみをともなう無菌性の病気です。
皮膚表面の症状の経過からは、
紅斑(こうはん) :真皮上層の毛細血管が拡張し、それが表皮を介し
↓ て透けてみえるために表皮が赤みをおびてみえる
↓ 状態
丘疹(きゅうしん):直径1〜2mm前後の円形の皮膚の隆起。真皮内
↓ の浮腫と細胞浸潤のため生じる
小水疱(しょうすいほう):角質細胞間の浮腫が強まり、表皮内にすき
↓ まが生じ透明な液がたまったもの
膿疱(のうほう) :小水疱または水疱が化膿したもの。破れると膿は
↓ やがて乾きかさぶたをつくる。
びらん :表皮がただれ、滲出物でじめじめしている状態
↓
苔癬化(たいせんか):湿疹反応が慢性化し湿潤傾向が減少、表皮の
↓ 細胞の増殖傾向が活発となり、皮膚が厚く粗くかさ
↓ かさになった状態。
かさぶた
↓
落屑(らくせつ) :角質層のはがれ
↓
治癒
このような種々の変化をし、また同時にこれらさまざまな症状がたがいに入り交じって出現することも、湿疹の特徴です。もっとも頻度が高いのが、接触性皮膚炎とアトピー性皮膚炎です。