気管支喘息

気管支喘息は、気道(気管や気管支など空気の通り道)がいろいろな外因・内因によって異常な過敏反応をおこし、比較的太い気管支のレベルで、気管支を輪状に取り巻いている平滑筋の異常収縮や粘膜の浮腫(ふしゅ)による気道の狭窄、多量の粘液分泌による気道閉塞のため、吸いこんだ空気を吐き出せなくなってしまった状態をいいます。発作性の呼吸困難、喘鳴、せき、たんがおもな症状です。

【原因】日本では、人口の3%にみられ、年々増加しています。成人患者の3分の1は10歳以下で発症小児喘息は思春期になると70〜80%は自然に治りますが、その半数は成人になると再発します。喘息患者の大半は、なんらかのアレルギーがあり、ダニ・カビ動物の羽毛・花粉・木材の粉塵などがアレルゲンとなっています。

また、遺伝的素因が関与していて、小児期に発症するアトピー型が患者の60〜80%を占めています。
そのほか、冷気・刺激性ガス・激しい運動(ただし水泳ではおきにくい)・精神的ストレスなどでも誘発されます。中年以降、気道感染に続いて発症する予後の悪い型もあります。

【特徴】気管支喘息は、たとえばアレルギー反応がおきたからといって必ず発症するわけではありません。アレルギー反応によって気管支の炎症性変化がおこり、気管支の反応が異常に過敏となり、気管支平滑筋の収縮と肥厚、気管支粘膜の浮腫、粘膜上皮の損傷、気管支粘液腺の増加・肥大と分泌亢進、リンパ球や好酸球の浸潤などの変化がおきてはじめて発症します。

吸い込んだ空気を吐き出せなくなるのは、多量の分泌物や平滑筋の収縮で狭くなった気管支が、呼気時の高い胸腔内圧でつぶされてしまうためで、あたかも気道は空気が入るのを許しながら、出るのを阻止するかのように働き、吸い込んだ空気が肺の中にたまる一方になってしまうからです。これは一時的な変化で、分泌物が排出され気管支平滑筋の収縮が解ければもとの正常な呼吸にもどります。

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このページは、が2006年8月16日 00:40に書いたブログ記事です。

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