サイトカインとケモカイン

サイトカインは、白血球で産生される非抗体性の液性因子であり細胞間の情報伝達を担う糖蛋白質の総称です。
機能的な特徴としては
1)極めて微量で作用し、その作用は標的細胞表面上に発現している受容体を介して作用する
2)異なったサイトカインが1つの細胞に作用することでサイトカインネットワークを形成している
3)1つのサイトカインが複数の機能をもち、1つの機能は複数の異なるサイトカインに共有される
ことなどがあげられます。

またサイトカインの中でも白血球遊走活性をもつものはケモカインと呼ばれています。サイトカインは内分泌、感染症あるいは炎症性疾患など様々な疾患に関与していることが知られていますが、アレルギー疾患においても重要な役割を果たしています。

ケモカイン
ケモカインとは、特定の白血球に走化作用を有するサイトカインの総称で現在30種類以上報告されています。その中で、RANTES(*1)やeotaxin(*2)などのケモカインは好酸球に対して強い遊走活性をもっています。
RANTESは喘息発作中の患者血清中、アレルギー性結膜炎患者の涙液中に上昇がみられます。

*1:ランテス (RANTES)は、CCL5とも呼ばれ、活性化の3〜5日後のT細胞によって生産されるケモカインです。 RANTESは、雑多なケモカインでいくつかのGタンパク質-結合受容体のCCR5、CCR3、CCR1やUS28 (ヒトCMVによってエンコードされるウイルス受容体)を通してシグナルを送ります
*2:エオタキシン(Eotaxin)は、CCL11とも呼ばれ、好酸球特異的化学誘引物質として最初に同定されました。 CCL11は、好酸球、好塩基球、Th2リンパ球等の免疫細胞を動員することにより、アレルギー性および非アレルギー性炎症反応の両方において中心的な役割を果たします

このブログ記事について

このページは、が2006年8月28日 22:26に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「ダニ ヤケヒョウヒダニ コナヒョウヒダニ」です。

次のブログ記事は「アトピーの遺伝子的背景」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。