病原菌などの有害な侵入物に対して、生体は自己と非自己である異物(抗原)を識別し、抗原のもつ有害な作用に反応することで自己を守っています。生体のもつこのような自己防衛の働きを免疫といいます。抗原に対する防御反応が過剰すぎて、生体に障害(病気)をもたらす場合をアレルギーといいます。
アレルギーはおこりかたによって次の4つに分類されます。
1)I型アレルギー(即時型アレルギー)
2)II型アレルギー(細胞融解型アレルギー)
3)III型アレルギー(免疫複合体症)
4)IV型アレルギー(細胞免疫性アレルギー)
ここではI型アレルギーについて簡単に説明します。即時型といわれているように、抗原の侵入後数分から数十分以内に症状がおこります。
そのメカニズムは、抗原との一次接触でつくられたIgE抗体が、再び同種の抗原に反応することでおこります。肥満細胞上の2個のIgE抗体が抗原によって橋渡しされると、肥満細胞は活性化され、ヒスタ
ミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質を放出します。これらの化学伝達物質が、抹消の血管や神経、平滑筋などを刺激することで発症するのがジンマシン、花粉症、気管支喘息、薬物によるアナフィラキーショックなどです。